入院46日目-膠原病(SLE)
免疫抑制剤(セルセプト(MMF))-①
今回は、セルセプト(MMF)について、
改めて確認したいと思います。
そもそも「免疫抑制剤」とは?
免疫抑制剤(めんえきよくせいざい)とは、免疫系の活動を抑制させる働きがあります。
・臓器移植等の拒絶反応の抑制
・自己免疫疾患(膠原病、リウマチ、全身性エリテマトーデスなど)の治療
・アレルギー性の炎症性疾患など
ただし、免疫抑制剤の服用には細心の注意が必要です。
免疫能力が下がりますので、免疫系の感染症や癌などを抑えることができなくなる。
高血圧や高血糖、消化性潰瘍、肝臓や腎臓に関する障害などの副作用が考えられています。
様々な種類の免疫抑制剤(めんえきよくせいざい)がありますが、基本的に非常に強いお薬です。
使用用途、服用量など、主治医の先生としっかり相談して決めてください。
膠原病で使う「免疫抑制剤」の意味とは?
膠原病では大体の場合、ステロイド療法が第一選択になると思います。
免疫抑制剤はステロイド剤のみで十分な効果が期待できない場合にステロイド剤と併用して用いられます。
免疫抑制剤の服用は最初にステロイド剤を服用し、後から免疫抑制剤を追加併用する場合が多いようです。
①ステロイド剤の大量療法が無効か効果不十分の場合
②ステロイド剤のみでは再燃を繰り返す場合
③副作用のためにステロイド剤を減量したい場合
④ステロイド剤の維持量を下げたい場合(ステロイド減量効果)
などの理由で使われること多いと思います。
ステロイド剤だけでは効果が期待できないことが分かっている重度の病気などには始めから免疫抑制剤も併用されるみたいです。
免疫抑制剤(セルセプト(MMF))とは?
・ミコフェノール酸モフェチル(セルセプト)
ミコフェノール酸は1896年にアオカビ属の発酵生産物の一つとして発見され、抗ウイルス作用、抗腫瘍作用、免疫抑制作用を持つことが明らかにされてきました。
米国シンテックス社が、ミコフェノール酸体内動態を改善する目的で、プロドラッグであるミコフェノール酸モフェチルRS-61443を開発したのが始まりです。
1990年から1991年にかけて、米国では腎移植患後の免疫抑制を目的にした第I/II相臨床試験などが実地されています。
日本の場合、
日本シンテックス社(現、日本ロシュ社)が腎移植後の難治性拒絶反応の治療を効能として輸入申請を行っています。
1994年7月に、厚生省が稀少病用医薬品指定を与えました。
1999年に、「腎移植後の難治性拒絶反応の治療(既存の治療薬が無効又は副作用等のため投与できず、難治性拒絶反応と診断された場合)」について承認をしました。
2000年に、「腎移植後の拒絶反応の抑制」の承認。
2003年に、「心移植、肝移植、肺移植における拒絶反応の抑制」の承認。
2005年に、「膵移植における拒絶反応の抑制」について承認。
2011年に、「腎移植における拒絶反応の抑制」の小児用法・用量が認められました。
そして、
2015年7月31日、薬事・食品衛生審議会にて、ループス腎炎に対して承認された薬です。
つまり、国の認可(保険適用)されてから、まだ1年経っていない新しい薬となります。
(膠原病、ループス腎炎などの治療には使えなかった。ということです)
免疫抑制剤(セルセプト(MMF))の作用とは?
ミゾリビン(ブレディニン)と作用が似ています。(ミゾリビン(ブレディニン)も免疫抑制剤の一つ)
プリン代謝拮抗作用以外に接着因子発現の抑制作用などもあります。
消化器症状(主に下痢や腹痛)の発生やCMV感染症は他の代謝拮抗薬と比べ高いようです。
※似たような作用のミゾリビン(ブレディニン)よりも強いお薬。
(その分、副作用も出やすい)
※海外では重症ループス腎炎に対して、エンドキサン大量静注療法に匹敵する効果が報告されています。
(ステロイド パルス療法に匹敵する効果が実証されています)
調べてみると、ほんとに難しい内容の文書がたくさん出てきます。
効果も含めて、未だに研究されている薬のようです。
そして、副作用の情報もたくさんありました。
それだけ、薬の治療効果がある=強いお薬=副作用のリスクがある。
という図式になりそうです。
次回はそのあたりをまとめてみます。
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