治療開始57日目-膠原病(SLE)
免疫抑制剤(プログラフ)-②
前回の記事の続きです。
プログラフの副作用をメインに考えてみます。
免疫抑制剤(プログラフ)の効能
日本発の免疫抑制剤です。日本国内では、1993年に肝移植における拒絶反応の抑制に用いられ、その後、腎臓・心臓・肺・膵臓などの臓器移植後の拒絶反応を抑えるのに使われてきました。
ここ数年では、関節リウマチ、重症筋無力症、ループス腎炎などの自己免疫性疾患の治療薬としても使用されるようになりました。
また、プログラフを併用した治療では、ステロイド剤の減量効果も認められています。
※特に重症疾患では、プログラフを併用した場合とそうでない場合、3ヶ月の継続投与でステロイド剤の減量効果が認められているそうです。)
免疫抑制剤(プログラフ)の副作用
・ふるえなどの中枢神経症状(頭痛、振戦、痙攣、不眠、幻覚など)
ほてり、高血糖、腎障害、心毒性(心不全・不整脈など)、感染症など。
肝移植・腎移植後や関節リウマチの治療中リンパ腫をはじめとした悪性腫瘍の発現が報告されています。
(タクロリムス(プログラフ)だけに原因があるかどうかは明らかではありません)
将来的に白血病やリンパ腫、皮膚がんなどの悪性腫瘍の発現リスクが少し高まる可能性があります。
すでに心疾患・腎疾患がある方は少量ずつ使用するか、使用が困難な場合もあります。
(ステロイド・そのほかの免疫調節剤を内服している場合は抗生剤を内服する場合もあるようです。)
<重大な副作用>
厚生労働省「医薬品医療機器安全性情報」(第231号)2006年12月21日
免疫抑制剤「タクロリムス水和物」で、間質性肺炎で死亡例が報告されていることを受け、「重大な副作用」に追記し、医療関係者等に注意を喚起しています。
関節リウマチの適用に限り、「間質性肺炎を合併している患者」には慎重投与とし、「重大な副作用」に間質性肺炎の悪化を追記。
また、全ての適用について糖尿病、高血糖を「重大な副作用」に追記すると共に、カプセル剤5mg、顆粒剤、注射剤についても同様の措置をとることとしています。
特に注意する必要があるのが「腎障害」です。
もともと腎臓の悪い人、大量服用中、あるいは多剤併用時など要注意する必要がありそうです。
薬の血中濃度測定による服用量の適正化と、定期的な腎臓の検査が欠かせないようです。
免疫抑制剤(プログラフ)服用時の妊娠について
妊娠についての安全性については、一般的にアメリカの食品医薬薬品局(FDA:Food and Drug Administration)による危険度分類が用いられています。
タクロリムス(プログラフ)はこの中で、「必要に応じて服用してよい」レベルに分類されています。
一応、妊娠中や近く妊娠を予定している場合には投与すべきではないと考えられています。
タクロリムス(プログラフ)使服用終了後に妊娠した場合は、胎児に影響はないとされています。
このあたり断定は出来ませんが、妊娠中でも服用出来るとの考えもあるようです。
病院の考え方、主治医の考え方で変わってくると予想されます。
妊娠を予定されている方は特に主治医に相談されることをオススメします。
免疫抑制剤(プログラフ)服用時の注意点
服用し忘れた場合は気づいたときにできるだけ1回分を服用してください。(次に服用する時間は5時間以上あけてください。)
グレープフルーツ(ジュース)やスウィーティー、一部のかんきつ類(ブンタン・ハッサクなど)と一緒に服用すると血中濃度が上昇し、副作用がでやすくなる恐れがあるのでNG。
セイヨウオトギリソウ( セント・ジョーンズ・ワート)を含む健康食品は控えましょう。この薬の作用を弱める可能性があるのでNG。
個人的な意見
何度も同じ事を言ってますが、免疫抑制剤は本当に強いお薬ですね。
うちの場合は、プログラフよりもセルセプトの方が副作用が強かったです。
※セルセプトは、当初2000mg/1日でしたが、無理を言って服用最低レベルの1000mg/1日に減らして貰いました。
どちらにせよ、長期服用は色々とリスクもありますので、量を減らしていきたいですね。
ただ、併用により、ステロイド剤の減量には期待出来そうですので、そこは期待しています。
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